W2 タケニグサの生息環境 兵庫県立大学付属高等学校- 自然科学部生物班 ポスターはこちらをクリック↓W2 タケニグサの生息環境 (市原 康士郎/兵庫県立大学付属高等学校- 自然科学部生物班)【番号:52】
タケニグサには、アレロパシーがあると思います。気をつけてすり潰したりして、ポットにかけてみたり、芝生にかけてみたりすると(先生に許可もらって)、影響がみられるかも知れません。意外に、良い除草剤になるかもしれませんね。 返信
シカが高密度に生息する地域であっても食べ残されるタケニグサは、県立大附属高校周辺の環境での研究対象として扱いやすい実験材料ですね。 身近な植物の生育環境の解明は、思ったより進んでいないものが多いのでタケニグサ以外でもチャレンジできればいいなと思います。 タケニグサの生育を決定づける要因として、土壌と光が関係しているとの仮説を立て、データを収集し解析されています。 今回は予備的実験・調査だと思います。 これからも実験や調査を続けられると思いますので、みなさんの知りたい答えを明確に得るためには実験方法を改善することと、調査地域を複数設けることを願って、下記に気がついたことをまとめます。 ■実験方法について (調査1) 土壌テスターによるph、湿度の計測に関しては、計測する日の天候だけでなく数日前の天候にも左右されます。 理想的には雨の降った直後などは避け、数日は雨が降らない天候が安定した状態が続いているときに計測するのが望ましいです。 (乾燥しすぎても影響があります。) 今回は同じ日にすべての調査地の計測をされたのかなと思いますが、計測日が異なると、気象条件が大きく異なり計測結果にばらつきが生じるおそれがありますので、追加調査をする際は測定日の数日前までの天候は揃えた上で調査してみてください。 照度の測定ですが、照度も天候に左右されます。そのため、生育環境の光環境を評価する際には「相対照度」という指標を用いることが一般的です。相対照度は、測定機器の上を覆うことがない空き地と、生育地で同時に照度を測定し、生育地での照度の値を空き地での照度の値で割った数字を指します。 生態学では現在、植物の光環境を測る場合は、照度計を用いるのではなく光量子密度計という機器を用います。照度計は人間の目で知覚できる範囲の光しか測定できず、植物の光合成に利用される波長を十分に考慮することができないからです。光量子密度計は照度計よりも価格の高い測定機器なので、すぐに手に入れることが難しいかと思いますので、まずは照度計で相対照度を測定する方法で再検討してみてください。 (実験1・2) 「100mlビーカーに容器込みで110gずつ土を採取して」「るつぼに入れて容器込みで75.0gにそろえて」実験を行っていますが、100mlビーカーやるつぼの重量が全て同じではないはずです。 今回の実験は「サンプル採集時の重量を測定し、そこから水分を蒸発させて乾燥させた後のサンプル重量を測定して水分量を求める」ことはできますが、容器込みの重量だとサンプル採集時の重量が不明なままであり、サンプル間の比較をする際に用いる含水率の算出を正確に行うことができません。 このようにサンプルの計量は正確に行わないと、実験データの信頼性を確保することが難しくなります。 こういった実験を行うためには、容器の重さを含めてサンプル(今回は土壌)の重量を統一するのではなく、土壌そのものの重量を計って統一するようにしましょう。 ■ポスター発表について 科学研究で一番重要なのは測定したデータですが、残念ながら今回のポスターには示されていませんでした。 こういった発表の際には是非、表やグラフで測定データや実験データを示し、みなさんの仮説検証の結果が確かなものであることを伝えるようにしてください。 考察の際に、様々な情報源にあたり自分たちのデータの信頼性の評価や、自分たちのでデータだけでは解明できない部分を補っていること派とてもよいことだと思います。ただ、WEB上で得られたブログや記事については科学的な信憑性が乏しい場合があります。 今後は是非、学術論文から情報を探して考察の際に引用することもチャレンジしてみてください。 文献を探すサイトとしては、 日本語の論文に関してはJ-stage https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja、 海外の論文も含めるならばGoogle scholar https://scholar.google.co.jp/schhp?hl=ja が比較的扱いやすいので一度試してみてください。 今後の研究の進展を楽しみにしています。 返信
タケニグサがいない場所との比較が気になりました。タケニグサの種子を観察するとエライオソームがあるので、(どの程度の割合かは別として)アリによって運ばれている可能性があります。実際に生えている場所が、本当に「好んでいる場所」なのか、「種子が運ばれやすい(し一応ふつうに育つ)」なのか、どういう研究をすれば区別できるでしょうね。 返信
タケニグサには、アレロパシーがあると思います。気をつけてすり潰したりして、ポットにかけてみたり、芝生にかけてみたりすると(先生に許可もらって)、影響がみられるかも知れません。意外に、良い除草剤になるかもしれませんね。
シカが高密度に生息する地域であっても食べ残されるタケニグサは、県立大附属高校周辺の環境での研究対象として扱いやすい実験材料ですね。
身近な植物の生育環境の解明は、思ったより進んでいないものが多いのでタケニグサ以外でもチャレンジできればいいなと思います。
タケニグサの生育を決定づける要因として、土壌と光が関係しているとの仮説を立て、データを収集し解析されています。
今回は予備的実験・調査だと思います。
これからも実験や調査を続けられると思いますので、みなさんの知りたい答えを明確に得るためには実験方法を改善することと、調査地域を複数設けることを願って、下記に気がついたことをまとめます。
■実験方法について
(調査1)
土壌テスターによるph、湿度の計測に関しては、計測する日の天候だけでなく数日前の天候にも左右されます。
理想的には雨の降った直後などは避け、数日は雨が降らない天候が安定した状態が続いているときに計測するのが望ましいです。
(乾燥しすぎても影響があります。)
今回は同じ日にすべての調査地の計測をされたのかなと思いますが、計測日が異なると、気象条件が大きく異なり計測結果にばらつきが生じるおそれがありますので、追加調査をする際は測定日の数日前までの天候は揃えた上で調査してみてください。
照度の測定ですが、照度も天候に左右されます。そのため、生育環境の光環境を評価する際には「相対照度」という指標を用いることが一般的です。相対照度は、測定機器の上を覆うことがない空き地と、生育地で同時に照度を測定し、生育地での照度の値を空き地での照度の値で割った数字を指します。
生態学では現在、植物の光環境を測る場合は、照度計を用いるのではなく光量子密度計という機器を用います。照度計は人間の目で知覚できる範囲の光しか測定できず、植物の光合成に利用される波長を十分に考慮することができないからです。光量子密度計は照度計よりも価格の高い測定機器なので、すぐに手に入れることが難しいかと思いますので、まずは照度計で相対照度を測定する方法で再検討してみてください。
(実験1・2)
「100mlビーカーに容器込みで110gずつ土を採取して」「るつぼに入れて容器込みで75.0gにそろえて」実験を行っていますが、100mlビーカーやるつぼの重量が全て同じではないはずです。
今回の実験は「サンプル採集時の重量を測定し、そこから水分を蒸発させて乾燥させた後のサンプル重量を測定して水分量を求める」ことはできますが、容器込みの重量だとサンプル採集時の重量が不明なままであり、サンプル間の比較をする際に用いる含水率の算出を正確に行うことができません。
このようにサンプルの計量は正確に行わないと、実験データの信頼性を確保することが難しくなります。
こういった実験を行うためには、容器の重さを含めてサンプル(今回は土壌)の重量を統一するのではなく、土壌そのものの重量を計って統一するようにしましょう。
■ポスター発表について
科学研究で一番重要なのは測定したデータですが、残念ながら今回のポスターには示されていませんでした。
こういった発表の際には是非、表やグラフで測定データや実験データを示し、みなさんの仮説検証の結果が確かなものであることを伝えるようにしてください。
考察の際に、様々な情報源にあたり自分たちのデータの信頼性の評価や、自分たちのでデータだけでは解明できない部分を補っていること派とてもよいことだと思います。ただ、WEB上で得られたブログや記事については科学的な信憑性が乏しい場合があります。
今後は是非、学術論文から情報を探して考察の際に引用することもチャレンジしてみてください。
文献を探すサイトとしては、
日本語の論文に関してはJ-stage https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja、
海外の論文も含めるならばGoogle scholar https://scholar.google.co.jp/schhp?hl=ja
が比較的扱いやすいので一度試してみてください。
今後の研究の進展を楽しみにしています。
タケニグサがいない場所との比較が気になりました。タケニグサの種子を観察するとエライオソームがあるので、(どの程度の割合かは別として)アリによって運ばれている可能性があります。実際に生えている場所が、本当に「好んでいる場所」なのか、「種子が運ばれやすい(し一応ふつうに育つ)」なのか、どういう研究をすれば区別できるでしょうね。